ということで終わりました。
szkです。
なんやかんやクリアしてから1週間たつんですが、色々こねてたら時間がかかってしまった。
ということで、今回はFF16のレビューとをしていきます。ストーリー考察は2週目終わってから。
完走した感想
全体の批評
ざっくり言うと「操作する映画」といった感じ。
日本におけるゲームはPS2からPS3の時代に「操作する映画」を目指していた時期があったように思える。
FF10あたりに始まり、究極的にはMGS4あたりが完成形。
但し当時、演出にこだわる作品が多くプレイアブルタイムが少ないことから、以後は「ムービーゲー」と蔑称される割合が多くなり
結局のところ「ゲームなんだからゲームさせてよ」というところで今日に至っている。そんな感覚だ。
実は今回このゲームをやるにあたって不思議だと思ったことがあった。
それはこのゲームのキャッチフレーズで、CMにおけるFF16は”召喚獣合戦勃発”というワードと”これはクリスタルの加護を断ち切る物語”というワード
2つのキャッチフレーズでCMをうっていたことだった。
「なんとかこのゲームを1つのキャッチフレーズでまとめられなかったのだろうか」
‥‥というのを今改めてプレイ後に考えるとどうしても「これは操作できる映画」になってしまう。
たしかにゲーマーに対しては「ムービーゲー感」が拭えないし、ゲームをやらない人には「なら映画でいいじゃん」になってしまう。
上の二つのワードならゲーマーに対しては「ファイナルファンタジー」におけるキーワードであるクリスタルが引っかかるし、召喚獣合戦といいながら迫力のある画面を出しておけばPRしやすい。
と、少し脱線したが”CMうつうえで必要なワード”だったと今なら理解できよう。
さて、感想に戻って「じゃぁFF16はムービーゲー」なのか、という問いに関してはおそらく「YES」だろう。
ただし、決して悪いことではなく、個人的にはMGS4で完成していた「操作できる映画」の究極系がこのFF16だと感じた。
スクエニが言っていた「ロードが無い」というのは嘘じゃなく、これがないことで全体のテンポ感はかなり映画に近くなる。
グラフィックも究極的に「良い」というわけではないのに、ライティングやテクスチャが写実的でモーションもフェイシャルまで入れている。
これにカメラの動きも相まって、プレイしていて「あれ、これ実写だっけ」と錯覚するシーンが何度もあった。
「あぁ、ボクゲームやってたんだった」というのは、悪い意味ではなく素直に不思議な感覚として確かに存在した。
ちなみに今回このゲームをプレイするために音響を7.1chサラウンドに、テレビをHDR4kの大型テレビにしたのだけど、これやると完全に映画になるのでおすすめ。
ゲームプレイについて
戦闘は面白かった。素直に面白いといっていい。
但し、「自分のお気に入りコンボ」が早々に見つかってしまい組み換えしないような人だと単調で飽きてしまう可能性はある。
あとは若干ゲーム未プレイの人にはわかりずらい「ブレイクダウン」からのダメージ増加要素。
システムとして「敵をブレイクダウンすると与ダメージ1.1倍~になる。この倍率はウィルを削れる技を多数ヒットさせることで上がる。倍率を伸ばした後に火力の出る技をぶち込むと大ダメージが与えられる」というものなのだけど、これを理解してプレイできていた人がどれだけいたかは若干不安だ。
ちなみに理解してるとレベルが上がってくるにつれて最初は1000くらいだったダメージが1万、2万、5万…ストーリー終盤では10万を超えたりするので非常に気持ちがいい。
敵をブレイクする数秒前に薬を割って、スキル回しは・・・という形式はFF14にも繋がるプレイ感覚で非常になじみがあった。
「戦闘だけやりたいな」という想いをアーケードモードで消化させるのも良い。
いちおうランキングはあるけど、”自己満でかっこよく戦える”でいいじゃないか、ゲームだもの。
ストーリーはかなり評価が分かれると思う。
素晴らしい世界設定、写実的でありつつもゲーム的な魅力を持ったキャラクター達。
ストーリーそのものも歴代FFと比較しても遜色ない。
ただ、おそらくだが、歴代FFをやったことない人の方が新鮮に楽しめるだろう。
というのも、なんとなく、16作品目ということもあり、どことなくシーンの要所要所で過去のFFを感じてしまう。
父とのやりとりは15、神との戦いは13、ラスボスが出てきた時、14プレイヤーの多くは「またお前かー!」となったはずだ。
ただ、ここらへんを差し置いても演出はピカ一。
迫力あるバトルシーン、丁寧なカメラアングルでねじ伏せられた。
一方でサブクエスト含め本編に係わらない部分の演出は若干薄味。
サブクエは完全にFF14と同じ形式で、まさに実家のような安心感。
クエスト受注してクエストマークを追いかけて戦闘して解決。
戦闘後のムービーでクライヴが納刀するシーンはアングルテンポともに完全にヒカセンのそれで若干笑いがこぼれるレベル。
どうしても「ゲーム感」が出てしまってせっかく上のメインクエストでこだわったせっかくの「操作する映画感」が薄れてしまっているように感じた。
本編プレイ中は「これ実写映画だっけ?」「映画見てる気分」「まるでこの世界に入り込んだよう」という感情が、すっかり「あっ、俺ゲームやってたんだ」と冷静になってしまう。
ちなみにサブクエストの内容自体は結構いい感じなのはフォローしておきたい。
そして今作、ミニゲーム的な要素が一切ないのは驚いた。
FF10におけるブリッツボール、FF15はアクティビティ盛り盛りで、FF13でも敵をぶっ飛ばしたりしてたいたのにFF16ではそういった要素が一切ない。
開発曰く「旅の道中でクライヴが釣り糸を垂らすとは思えない」とのことだが、子供たちがばらした天秤を元に戻すパズルとか遺跡で謎解きするとかあったじゃん!!
何ならギャグシーン的にQTEの□連打するとかでもよかったのに!
全部Xボタンで解決させるんじゃないよ!・・・とは正直思ってしまった。
FF7RやFFCC「えっ、こんな1回切りのミニゲームのためにこれ作ったの?」という演出が多かったためにこのあたりはナンバリングタイトルとして若干残念な部分だ。
一方、このゲームの「強み」にあたる部分として、文章量が非常に多い。
物語の展開で町の様子が変化するのだが、モブキャラクターの会話も逐一変わっている。
なんならサブクエストですら寄らない場所のモブキャラのセリフまでしっかり更新されているのだから驚きだ。
そしてこれがフルボイスだったりするから気が遠くなる。デバッグとかどうしたんだろ。
もちろんモブキャラの配置も毎回同じではなく、ちょっと移動していたり、最初は門の中にいた兵士が終盤は街を守るために門番に・・・みたいなところも作りこまれていて驚いた。
この辺はFF14で死ぬほどやっている部分ではあるのだけど、いざコンシューマーでこれをやられると中々に圧倒されるものがある。
画面の中の世界が生きている感がすごいんですよね。まったくもう。
それとこのゲームの「戦闘」と「ストーリー」以外の部分である、ハルポクラテスとヴィヴィアンのロア要素は非常に良かった。
解らない用語が出てこないし、進めるほど世界観の理解につながる。
物語とRPについては後述する予定だが、主人公とプレイヤーの乖離的な部分を埋めてくれる要素に感じた。
次はマップ。
おそらく大衆的には「国1つが小さい」みたいな意見が出てきてそうだが、このあたりはゲームバランスとスケール感をうまくやったな、という感想だった。
これ、不思議なのだけど、「凄く遠くに見えていたもの」が気が付いたら前にある。
多分壁とかうまく使って「遠くに見える町」と「実際のオブジェクトとしての町」を使い分けているのだろうけど、素直に凄いと思った。
ゲームプレイとしては数分移動しただけなのに、「あんなに遠くに見えた場所」まで長い間苦労して進んだ気持ちになる。
ゲームUIからマップを見ると決して大きくないのだけど、マップを閉じて世界を見るとそのスケールに圧倒される。
このあたりは「ミニマップはつけない」といっていた吉田Pの発言の意図がよく理解できた。
ということで、まとめ。
上述の作りを見ると非常にFF14ライズされている部分が多く、感覚としては「頭のいい人が作ったんだな」という感じ。
無駄を省き、綺麗だけど遊びが無い。
ストーリーの導入やラストからして「FF1」のアンサーゲームだったのかもしれないが、せっかくのナンバリングなのでもう少し「戦闘」以外の遊びもほしかったところだ。
一方で文章量や世界観構築は出来が良すぎるくらいで、過去にも先にもここまで「世界」をきっちり作ったゲームは中々無かったように思える。
(グラフィックだけ、マップだけ、世界設定だけ はあったと思うが3つとも立ってる作品はあまりなかったと思う)
後述のストーリーも相まって、なんというか50年の歴史をそのまま追体験できた。
よくある「死んだら実はそれは仮想空間でした」的なマトリックス感覚で、「クライヴという人の人生シミュレーター」をプレイした気分。
目が覚めると「あっ、俺死んでない、現実はこっちか」と思わせてくれる空気感がある。そんなゲームだった。
ただ、サブクエの内容はいいのだから、演出はもうちょっとしっかりしてほしかった。
色々書いたけど、個人的には良作品という評価です。
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