こんにちは、szkです。
1月から3月の寒い季節。
雪国ニキはバイクを冬眠させる季節なのだけど、関東平野も南、日本有数の「雪が全く振らない地域」である神奈川県南部はむしろバイクシーズン。
空気が澄んでて景色は見えるし、富士山も綺麗。それに夏にポップする珍走団グループもおらず快適・・・
しかし今年は1回も乗れません・・・でしたァッ・・・!
どうしてこうなったのかという話をかいていくぞ。
まぁ、まず1月中、スパーダ君はカムチェーンテンショナーとクラッチの交換という一大整備をしており(記事参照)
2月に入って「調子最高やな!」とか思ってた矢先にまさかのエンスト。
それも高速道路で
わりぃ、ボイボりょうまつりいけないかも pic.twitter.com/tUAbc3ajLK
— szk(すずき) (@szkP0151) February 24, 2024
正直肝が冷えたゾ・・・
とりあえず始動はできたのでいったん帰宅。
その後いくつかテストをしてみた結果がこちらだ。
1.高回転時(8000以上)でエンジンが失火する場合がある
2.失火時にすべての電力が消灯する
3.アイドリング時にヘッドライトが明点する。
今回発生した事象は1と2。
3の事象は結構前から出ていて気になっていたものだ。
過去にバッテリーの交換等手を入れても効果なし、回転数を上げると安定するという内容だ。
で、今回の1の事象はアイドリングでは問題失火しないが「高回転時に失火する」というなんとも面倒な事象だ。
先にネタバレをしてしまうと、今回この事象はジェネレータの交換によって解消した。
配線図を見た上での推薦なのだけど、フライホイールが回転し、この回転によってジェネレータのコイルで発電される。
無論、フライホイールはエンジンの回転数に比例するので、電流は均一ではない。
この電流を均一化する役目がレギュレータ。
MC08ではレギュレータで整流された電気はバッテリーとそのまま点火系にも流れる形になっている様子。
走っている時もバッテリー電源だけで点火をするのではなく、ジェネレータから供給される電力も合わせて利用しているということだ。
つまるところ「高回転になる消費電力が上がってバッテリーから消費される電力が増える、ジェネレーターが弱っていてバッテリーへの充電<消費になるとどんどんバッテリーの容量が減ってくる→高回転時に消費電力が上がるとバッテリー&ジェネレーター双方の共有が足りなくなって失火する」ということらしい。
さて、次から実際に作業をしていくぞ。
パーツが無い
今回初めて知ったのだけど、VT250スパーダ君、電装系のパーツが無さ過ぎる。
ジェネレータ→ない
ピックアップコイル→マジでない
レギュレータ→ある
スパークユニット→ない(中華互換はある
イグニッションコイル→ギリある(中古
このあたりの部品はなんとVTR250とも互換性が無い。
かなり厳しい戦いになってきている形だ。
補足
ジェネレータ:31120-KV0-004
・互換:VT250/VTZ250後期
→アマゾンやh-craft(ステータ73)にこの型番互換のパーツが出ているが、別物。VTR互換のパーツになる。
基本的に互換に「VTR」と書いてあった場合別パーツとなる。
ピックアップコイル:30300-KY6-003
・互換:VT250のみ
→MC08系統で前バンク後ろバンク占有でピックアップコイルが2機ついてるのはVT250とVTZ250後期のみっぽい。
VTZ250前期、VTF、VTR250、ゼルビス、VTマグナはピックアップコイルが1機のみになっている。
ピックアップコイルそのものはVTマグナと同じっぽい?
シール部品が確保できれば半田で繋ぎなおして再生はできるかも・・・?
レギュレータ:31600-MV4-010(改番後
・互換:VTF以外のVTシリーズ及びCBRシリーズ、一部のCBシリーズ
→まだ新品が出る数少ないパーツ。MC08の中でもスパーダまでは改番前の「31600-KY2-702」(印字30SE1)が搭載されている場合がある。これの場合は即刻交換を推奨。
スパークユニット:30410-KY6-000
・互換:VTZ以前のMC08(VT250Fはダメかも)、前期型VTR250
→一応アマゾンで互換品が出ているパーツ。つけたら動いた動作確認済み。
イグニッションコイル:30500-ML7-013
・互換:いろいろ
→新品が出る
今回は特に被疑箇所であったピックアップコイルとジェネレータが手に入らずに困った。
ピックアップコイルは本当にヤフオク待ちして古いパーツにVTRのコイルくっつけて再生するしかない状態だし、危うく部品撮りのSPADAをもう一台買いかけたゾ・・・
ジェネレータは「っぽい」やつは色々出てるんだけどどれも使えなかったり使えたりする。
・VTR250の純正ジェネレータ:「31120KFK631」(27000円)→そもそも搭載できない
・H-Craftの「ステータ73」(35000円)→搭載できるが始動しない
・Amazonの野良ジェネレータ(8000円くらい)→搭載できない(31120KFK631の互換品)
Amazonで売ってる奴は「VT250」の文字が互換に入ってたりしてまたややこしい。
僕は試した。ダメだった。これだけは伝えておきたかった。
とまぁ、使えないジェネレータで8万くらい溶かしたわけだが、結局オランダに純正の「31120-KV0-004」が存在することがわかりダメもとでポチってみたら・・・
スパーダのジェネレーターマジモノが届いてびっくりしてる pic.twitter.com/FEE9wer53L
— szk(すずき) (@szkP0151) March 22, 2024
なんか、マジで届いた。
本当に届くんだな、こういうのって・・・
購入後サイトを覗いたら欠品だったのでマジのラスト1だった可能性がある。
お値段は5万3000円です。(死
ここまでジェネレータだけに13万ほどかけているわけだけど、工具も色々必要だ。
近くに頼れる店は無いし、にりんかんやNAPSもこの手の作業は流石にやってくれないので自分でやるしかにい。
まぁ、工具さえあれば難しい作業ではないぞ。
作業
まずは徐に左側のクランクケースを外して
フライホイールが固すぎてはずれねぇ。。。どうすればいいんだ pic.twitter.com/EwInfdQFny
— szk(すずき) (@szkP0151) March 15, 2024
アーダメですねこれは・・・
この部分、規定トルクが8.5k/mとかいう馬鹿トルク。部品が部品だから仕方ないが・・・
これに30年の年月が加わり最強に見える。
Twitterで相談したところ「長いメガネ用意してパワーしかない」という最終奥義をアドバイス頂いたので
現状手に入る最も強いメガネレンチを購入。
初のネプロスです。作りが良くて一瞬で解決した。本当にありがとうございました。
ちなみにユニバーサルホルダーはこれ↓を利用した。
さらにこの後フライホイールを外すために専用工具が必要だ。
それがこれ↓
フライホイールプーラーとかいう専用工具だ。品番「07733-0020001」でぐぐれば出てくるぞ(お値段8800円)
フライホイールはボルトなどで止まっているわけではなく強力な磁石で装着されており、この上から8.5k/mのボルトで止まっている形。
なのでボルトを取った後も実は素手で撮ろうとすると「んー無理ッピ!」となる。
このプーラーはフライホイールの穴にネジで固定しながら奥にぶつかるまで挿入し、フライホイールを浮き上がらせて着脱できるようにうる工具だ。
つまり「長いボルト」。具体的には「M20×P1.5」の系の長いボルトがあれば代用も可能だったりする。
今回はこれを探す方が大変だったので素直にプーラーを購入したぞ。
こんな感じに突っ込んで回すだけでフライホイールが浮かんでくる。
取れた。
さて、開いたら早速交換していこう。
既に搭載されていたジェネレーターはところどころサビているように見えた。
また、電線の方が中身が朽ちてしまっている部分があったため劣化は間違いなさそうだ。
左からH-Craftのステータ73。
オランダから届いた「31120-KV0-004」。
右が元からついていた31120-KV0-004だ。
んで、始動。
なんかセルモーターまわんなくなった。セルスターターが無限に開閉してる pic.twitter.com/QQ8L1VSjfg
— szk(すずき) (@szkP0151) March 23, 2024
/(^o^)\・・・・・???
なぜか始動しないし、セルスターターリレーが無限に開閉しまくる。なにこれ?
ちなみにこの時のszkはマジで焦った。だってジェネレーター交換しただけなのに壊れてるんだもん。
尚、この動作はバッテリーが不足しているとなるっぽい。
セルモーターを回す電力が無いと発生する用だ。
まぁ、szkはそんなことわかってないので、念のためセルスターターリレーを購入しました。(お値段5000円)
尚若干冴えていたのか、バッテリーの線も捨ててなく、今後必要だろうということでバッテリーの充電器も購入。
結果、バッテリーを満充電したら見事動いたのでした。
尚、全てを疑っているので↓の作業もやったりもした。
ジェネレーターからレギュレーターまでの3本の電線。
このうちの1本が中身が朽ちてしまっていた。
電流系で測定してもかなり渋い。この部分を張り替えてしまおう。太さは0.5sqだ。
コネクタはほっそい精密マイナスドライバがあれば端子から抜いて再利用できる。
張り替えて装着。
そして始動。
うおっしゃー!うごいたー! pic.twitter.com/Tmfv7nnDWp
— szk(すずき) (@szkP0151) March 30, 2024
ちなみに上の映像は「購入したスターターリレー&予備のレギュレーター交換して」動かした映像だ。
この後、交換したスターターリレーとレギュレータを戻して問題ないことを確認しているぞ。
つまり、今回交換した部位は「ジェネレーター」および「ジェネレータ→レギュレータ間のハーネス」ということになるな。
テスト
うおおおおお!!!直った!!! pic.twitter.com/zHjAkCLMFS
— szk(すずき) (@szkP0151) March 31, 2024
ということで無事動いたのでした。
一応現状1時間位走ったが、高回転時の失火無し。
アイドリング時の電圧が不安定という、正味「事象3」も解消している。
これで無事解決だな!・・・
・・・と言いたいところだが、ここまで読んで察しの良い方はお分かりいただけるだろう。
自分自身書いてて気が付いたんだけど「これまた直ってるかどうか確定してない」んだよな・・・
上の動作確認は少なくとも「充電器から外部充電した電力で動いている」のであって、ジェネレータ以外に実は原因があって(思い当たらないけど)、結局発電量が足りていなかった場合は「高回転の失火」は起こりうるわけで・・・
とりあえず問題の原因の仮説は立ってるし、動かし方も解ってるから近々遠距離ツーリングにでも行ってみよう。
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