szkがVJやITや、趣味のゲームや自作PCのはなしをするところ。最近バイクをはじめた

ジェベル200君エンジンオーバーホール作戦:その1~舐めたスタッドボルト~

時は10月初め・・・本当は夏のうちにやろうとしていた工事をようやく着手するのであった。

そもそもこれに着手したのは6月15日。
四国から帰ってきて再集録を済ませた直後だ。

本来なら7月終わりにはこれを終わらせたかったのだけど、6月末まで動画編集に本気を出し、7月中旬にいろいろあって心を病み、7月末にコロナにかかり1か月の休養を余儀なくされ、8月中は暑くて作業どころではなく、あれよあれよという間に仕事が忙しくなり9月は体調不良の中怒涛の80時間残業とかいうやばい状況。
10月も引き続き忙しいのだが、気温が下がった今やらないとこれが終わらないということでいよいよ焦ってやり始めたというわけだ。

6月の状態とこの作業の目的について

6月ではシリンダーヘッドカバーを外したところまで。

そもそも「この作業なんのためにするの?」という部分。

ジェベル200には兄弟機である125㏄版があるのは過去に記載したとおり。
この125㏄版エンジンだが、実は設計の多くを200㏄と共有している。
さすが設計流用の鬼と呼ばれるSUZUKIらしい設計であるが、当然そうなると200㏄エンジンには無理が出てくる。
一方で125㏄版のエンジンはかなり余裕のあるつくりらしい。

その結果が「ガラスのエンジン」と呼ばれるのがジェベル200のエンジンだ。

さて、このジェベル200のエンジンだが、ネットで過去のナレッジを調べると「めちゃくちゃ音が気になる」故障が多い。
「ガシャガシャ」という音、「タタタタタ」という音、「コレコレコレコレ」という音、どの記事も音の表現からその被疑箇所までバラバラだ。
そこで、以下に勝手に「なっていた音とその症状、実際の結果」を並べてみた。

・腰下あたりからガシャガシャという音が聞こえる
  →コンロッドのガタ or ピストンの摩耗

・腰上からタタタタタという音
  →バルブクリアランスの調整不足
  →ロッカーアームの摩耗

・腰下あたりからコレコレコレコレという音
  →コンロッドのガタ

これらの関連性を伝える前にまず、ジェベルのエンジンの世代について説明する必要がある。
ジェベルのエンジンは3世代存在している。
これらの区分けは下の記事に記載してある。

上の記事でいうところの「Ver1」はSUZUKIのパーツリスト上「P/R/S/V/W」。
「Ver2」はパーツリストでは「Y」。「Ver3」はパーツリストで「K3」と表現されている。

↑こんな感じ

なおszkのジェベルはVer1のSに該当するが、これは初期型なので持病が非常に多い。
これらを頭に入れたうえで関連性について記載しよう。

まず、最もコアな故障なのが「コンロッドのガタ」だ。
これが一番合致する場合重い修理になる。いわゆる「全バラ」が必要な状態となる。
このコンロッドだが、日本国内で生産されていたK3モデルすべてで「コンロッドの強度が弱くガタが出る」という持病を持っている。
事象が出るのは5万㎞以上だ。

事象が発生しているコンロッドは横だけではなく、縦にもガタが発生するようだ。

↑ネットで見つけたクランクのガタを説明する動画、非常にわかりやすく助かった。

次に重いのが「ピストンの摩耗」だ。
これに該当した場合、腰上までの全バラになる。
まぁ、それでもコンロッド交換といわれるよりは作業量は雲泥の差だが・・・
このピストンは上の記事でも記載があるが、Ver1とVer2、Ver3ですべてが異なる型になっている。

ざっくりいうと「ピストン固すぎてシリンダー削れるわすまんw」ってのがVer1。
シリンダー径でかくなっちゃうからピストン大きめの保守部品用意したンゴ」ってのがVer2(今は廃盤
シリンダー固くしてピストン弱くすればピストン交換で済むんじゃね?」ってのがVer3である。

ちなみに、このピストンとシリンダーの摩耗は通常利用でも発生するが、上述のコンロッドのガタが発生した場合は特にその摩耗が顕著となる。

続いてロッカーアームの摩耗だ、これが発見された場合は該当部品の変更だけで良い・・・
といかないのがこのエンジンである。
ロッカーアームの摩耗の原因はコンロッドのガタである
コンロッドが上下にブレることでロッカーアームを傷つけてしまうようだ。
なのでコンロッドがNGな時点で覚悟を決めてコンロッドの確認も行う必要があるだろう。

さて、ここまで長かったが、szkのジェベルは腰下あたりから「カシャカシャ」という音がしている。
もしこれがコンロッドのガタだとするとその修理は早急に済ませたほうが良い・・・ということになる。

んで、6月にヘッドを外し、ロッカーアームを見たところ損傷はなかった。
ので現在の被疑は「ピストンの摩耗が怪しい」ということになっている。

では、10月にワープして続きの作業をしていこう。

10月:作業再開

ということで10月。作業再開だ。

まずはさっさとパーツを外していこう。
マフラーを外して・・・

まぁ、とりあえず進めていこう。

シリンダーヘッド、シリンダー本体を外すとピストンが出てくる。
これを左右上下にガシャガシャしてみると、縦のブレはなく、横のブレも規定範囲である3㎜以下であった。

よかった、コンロッドの交換はしなくてもよさそうだ。

ピストンは・・・

うーんンニャピ・・・
古いけど摩耗ってほどでもないような・・・
そうでもないような・・・

新しい奴と並べてもよくわからん。

とりあえずピストンとシリンダーはどっちも交換していくぞ。

尚、シリンダーVer1のパーツがまだ出る。

一方でピストンは現状Ver3(K3)のものだけが出るのが現状だ。
だが、Ver3(K3)のピストンはVer1(S)とも互換性があるらしい。
正攻法ならばVer1のシリンダーにVer3のピストンで組むところだが、今回はシリンダーもVer3に変えてしまおう。

上がVer1、下がVer3のものだ。
穴がいくつか増えているがこれは二次エア回収用に利用するものだ。
シリンダーヘッドもVer3にするとこの穴がつながるのだが、シリンダーだけ使う場合は接続されないためただの飾りになるぞ。

・・・と、ここでクランクチェーンテンショナーを買い忘れていたので一旦待ち。

舐めたスタッドボルトを外そう(提案

さて、舐めたスタッドボルトだがねじ山が死んでいてボルトが入らない。
毎日地道にラスペネをかけて、ポンププライヤーでつかんだりしたがダメそうだ。

しかたない、やりたくなかったけどねじ穴あけて・・・

穴を広げて・・・

エクストラクター(逆タップ)を立てて・・・

タップでえいっ・・・・

・・・・

・・・・・・

全然まわらねーーーー

あまりにも固着しすぎてタップがわの留め具が舐めてしまった。
強すぎだろ。

今まで相手したどのねじよりも強そうだ。

仕方がないのでコーケンのタップを9.5の差込口に変換するやつを購入

これがめちゃくちゃよくて、まったく滑らない。
柄の長いレンチをくっつけて・・・えいっ

死亡確認

以後はいっそ穴開けてタップで新しくねじ作ろうとか、いろいろやったけど精度も悪くなるし不安要素が多すぎたのでやめに

結局思わぬ出費が増えることになるのでしたとさ。

パーツ到着まで5営業日未満・・・果たして来週の土日に届くのか・・・!?
10月中にジェベルは動くのか!!?

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