szkです。巷で「ポケモンファンなら見たほうがいい」といわれている名探偵ピカチュウを見てきました。
ちなみにszkの名探偵ピカチュウ知識は原作プレイ済みとなります。
ゲーム原作との深い関係性についてはこちらのネタバレあり記事の方をご覧ください。
・総評
先に総評からします。
「ポケモン好きによるポケモン好きの為のポケモン映画」、名探偵ピカチュウはまさにこれでした。
この映画のすごい部分は「ゲーム」「アニメ」及び「現実」とも設定を少しづつ引用しつつ、独自のポケモン世界を作っている。
ただ、そのポケモン世界が非常に「しっくりくる」という部分です。
人によっては「あーこれはゲームの世界のポケモンなんだ」とも「これはアニメ世界線だな」とも「この現実の平行世界か」とも思えるわけです。
それくらい実写にうまく”ポケモン”という生体を落とし込んでいる。
Twitterでは「ストーリーは粗削り、ポケモン映画としては5億点」といわれていますが、まさにその通り。
ただしストーリーも原作やった派からすると「よく原作から大きくブレずに90分にまとめたな」という感想。
主要キャラクターは変更したものの「R」「GNN」「ハリー・グッドマン/ティム・グッドマン」「ミュウツー」といった原作要素をうまく使い込んでいたと思います。
これらの制約にプラスして「ハリウッドあるあるの謎の恋愛要素」や「上記のポケモンのお約束」をうまくかみ合わせた時点で現状しうるポケモン実写化の最も良いアウトプットだったのではないでしょうか。
以下は細かい点をば
・ポケモンの描写がとにかく細かい
どっから予算が出たの?と思うくらいにポケモンが画面を埋め尽くしている。
実写あるあるな「俳優メインでポケモンは背景にすら登場しない」みたいなのは一切なし。
それどころか、どのシーンを見ても大体ポケモンが映ってる。人の寄りで映ってないシーン以外はほとんどどこかしらにポケモンがいる印象。
さらに「その動作が細かい」。
キングラーは横歩きしかしないし、ヤンチャムはゴロンダのしぐさを真似するし(サンの図鑑説明文が元ネタ)、ブルーはずっと威嚇してるし(クリスタルの図鑑説明文)
スタッフ一同ポケモン図鑑全部読んだの?と思わず聞きたくなるポケモンの動作。
映画を見ていて「このポケモンはこんな動きしないだろ」と思うシーンは1度もありませんでした。
次に「数が多い」。
正直、数種類が登場する程度と思ってましたが、種類がひたすらに多い。
「ポケモンってこんなにいるんだ」というスケール感がよく出ていました。
作中にピジョットが登場するのですが、それとは別に高所郵便のポケモンとしてウォーグルが採用されていたり、ゼニガメだけではなくワニノコも登場していたりと
「そこ、使いまわしたら予算かからなかったんじゃないの?」と思わず大人の心配をしてしまうほどのポケモンの登場率。
そして1種類に対してその数も多い。
1匹のみならず、20匹同時に出てきてそれぞれモーションが違う、といったシーンもありました。
・映画の楽しみ方、「現実世界のポケモン」とみるか、「ゲーム世界の真実」とみるか
これは原作をやっているとわかるのですが、名探偵ピカチュウは原作でも「ポケモンの生活感」というのを前面に押し出しています。
バトルではなく、日常的に生活しているポケモンがどのような動きをするのか、ゲーム版の開発を行ったクリーチャーズはわざわざポケモンのモデルとモーションを作り直しています。
『名探偵ピカチュウ ~新コンビ誕生~』インタビュー。オッサンみたいなピカチュウが誕生した理由とは?
実写版においてもそれは上で書いた通り、ポケモンの動きやカメラでの映しでかなり伝わるのですが、この映画の良いところは「ポケモンの写実感」
初代の時にあった、「現実世界にいたらいいな」というポケモンのエッセンス。
これはポケモン図鑑の「インド象」や「とうきょうタワー」に通ずる部分ですが、ポケモンが本来持つ野性感を見事に描写していたと思います。
あの映画を見てポケモンを6匹引き連れて旅をするというハードルの高さが実によくわかると思います。
また、原作のデフォルメされた姿は作中全く出てこないわけではなく、作中のグッツや絵画など「現実世界で犬や猫がデフォルメされている」のと同じ感覚でポケモンもデフォルメされているわけです。
こういった細かい描写の気配りの連続で、この作品を見終わったころには映画館の外にはポケモンがいるものと錯覚をすることと思います。
それは人によって「現実世界にポケモンがいたらこんな感じか」と思ったり「ゲームの世界ってこう見えているんだ」と思ったり別々の感想を述べるのだと思います。
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