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バイク関係整備&カスタム関係

VT250 スパーダ君近代化改修:HONDAスポーツグリップヒーター装着

こんにちは、szkです。

今年はコロナ影響でなかなか外に出れなかったし、よーし冬でも乗っちゃうぞと言わんばかりにグリップヒーターつけました。

グリップヒーターとは

まず、バイクに乗ってない人向けに「グリップヒーターとはなんぞや」を説明しておこう。
グリップヒーターはその名前の通り、ヒータ機構の搭載されたグリップだ、グリップはバイクの手につかむところ。
いわゆる「ハンドル」である。
ハンドルは右手のスロットルと左手のグリップがあり、グリップヒーターはその両方があったかくなる仕組みだ。

「バイクなんて体が外気に触れてるんだから手をあっためても気休めにもならないのでは?」とお思いだろうがこれは違う
バイクは実際のところ、カイロや電熱ヒータと様々な道具を使えば冬でも割と快適に乗れるのだ。
去年szkは冬専用ジャケットとハクキンカイロ、ユニクロのダウンジャケットをフル活用して冬季もバイクに乗っている(暖冬だったというのもあるけが・・・)

ここでポイントなのは「手を温める手段はある程度限られる」ということだ。
上半身や下半身は最悪張るカイロでも張っておけばなんとかなる。
しかし、操作系に直結する手は下手にカイロなんて張ろうものなら操作が怪しくなる。
そのほか電熱グローブという、熱線を仕込んだライダーグローブもあるがグローブとバイクをUSBケーブルでつないだりグローブ自体が手にフィッティングするかどうかわからない(種類が少ない)と完ぺきとは言えないソリューションだ。

そんな中で出てくるのがこの「グリップヒーター」である。
電源はバイクとつながっているので一々つないだりする必要はないし、グローブも自身の好きなものを使える。
さらに、今回選んだHONDA スポーツグリップヒーターなら現在SPADAについている純正グリップヒーターと太さも変わらないと、完璧に近いソリューションだ。

というわけで、前段が長くなったけどグリップヒーター取付やってくぞー

事前調査

この度VT250 SPADAにHONDA グリップヒーターが取り付けられたのでメモを記載しておくぞ。

グリップの径・・・純正(後述)と変更なし
グリップの長さ・・・純正と同一
スロットルの形状及び径・・・純正と互換あり(正しスロットル側グリップヒーターのケーブルは少し前に出る)

純正グリップ(もとに戻したいとき):53166-KT8-710

巷では「グリップヒーターのほうが純正より短い」という書き込みがあるがSPADA(と上の53166-KY8-710を使ってる車種)については長さが同一だったため、キレイに取付が可能だったぞ。
また、取り付け後にスロットル調整なども不要だった。

必要電源について

ちゃんと計測したわけではないが、最大30W近くの電気を食う様子。
となると必要電流はざっと2.xA~程度。
1か所のヒューズからACC電源をかすめたり、分配器を使っている人はUSBシガーソケット等と一緒に使うと電圧不足になりうるので気を付けよう。

全体的な発電量からすると特に問題はなさそうです。

グリップヒーター、購入

Honda ( ホンダ純正 ) スポーツ・グリップヒーター Honda二輪純正アクセサリー 08T50-MGE-000
※画像はAmazonより

グリップヒーターを構成する部品は大きく分けて2つ。
このような本体とコントローラー(写真下)と”取付アタッチメント”なるハーネス(電源部分との接続電装)から成る。
実際にAmazonでも「グリップヒーター本体」と「取付アタッチメント」は別々、あるいはセットで売られているため2つ揃える必要がある。

今回szkはCB400SF用のアタッチメントを手に入れました。

▲これですね、Amazonでも手に入る 。これ1つ買っておけばグリップヒーター関係の必要部材が一括で揃うぞ。

▲単品の場合はこちら 

実際に取り付けてみた後の感想なんですが、CB400SF用のアタッチメントだと下に記載する電源取り出しようのハーネスを作成する必要があったり、若干ケーブルが中途半端だったりしたのでこれからやる人はCF1300用のアタッチメントのほうがいいかもしれない。

おそらくアタッチメントがうんと長ければ、タンデムシート下までハーネスを引っ張ってコントローラーやら邪魔なパーツを後ろで組めそうだったので・・・

とりあえず今回はCB400SF用のアタッチメントを使ったログを残していくぞ。

そのほか必要なもの

▲グリップボンド。左グリップの接着に必要だ。

▲HONDAのFI式バイクに採用されている2極カプラ。
電源の取り出しに必要となる。最低1セットで足りるが、失敗したときは使いなおしができないので予備含めて3つくらい買っておくといいだろう。

▲リレー経由で電源を取りたい人は必要。
また、すでにリレー電源が引いてある人も不要だが、結構電源を食う代物だったのでszkは新設しました。

取付

グリップヒーターの配線下準備

まずはグリップヒーター本体の配線を見ていこう。

グリップヒーター本体に説明書も何もなくてびっくりしたのだが、グリップヒーター&アタッチメントを見てみるとこんな線が入っている。
太い黒でまとまっている部分は完全にハーネスとなっていて中身が見えない形だ。

ちなみにこれをきれいな配線図にしてあるサイトが「ももんぱのぼちぼちと‘12」さんだ。
今回このサイトが無かったら、配線で困っていたことだろう。

ポイントを記載すると。上記の図の一番下にあるヒューズより後ろが電源接続部。

茶色はプラス(+)線。
緑色がマイナス(-)アース線

となっている。これだけ抑えておけば接続には困らないだろう。
CB400SFのアタッチメントでは上の図のように電源部分のカプラが2極カプラとなっていてSPADAではそのまま使えず加工が必要となる。
プラスはプラス線で、マイナスはマイナス線同士一緒にしたいところだ。

取れる選択肢は2つで

1.カプラを外し(電源を切って)束ねる。
2.さらに2極カプラを後ろにつないでその後ろで束ねる。

今後グリップヒーターを売りに出すことはないだろうけど、将来的なことを考えて今回は「2」の選択しを取った。

上の写真は製作途中だが、これにはこんな形 で2極カプラの先を用意してY字形で合流するハーネスを作ってあげればいい。

ケーブルについてはデイトナの純正色ハーネスが使えたのでこれを使った。

合流地点はスプライス端子でもいいけど今回は信頼と安定の半田付け。
熱収縮チューブで周りを保護した。

▲というわけで、右下部にこのような自作ハーネスを付けたら準備完了だ。
さっそくSPADAに組み込んでいく。

すっごい雑な図だけど、SPADAを上から見たときの図です。

SPADAはCasticフレームの全面2か所左右に穴が開いている。
メインハーネスを通す用の穴なのだけども、ギリギリまだ通せそうなので今回もこの穴を使ってハンドルまでグリップヒーターの電装を持っていこう。

余談ですが、噂で聞くとVTRは左側を通すらしい。
トラスフレームでこれがやりやすそうだけどどうなんでしょう。

手順としては

1.車体を水平にする。
2.タンクを外して持ち上げる(2人作業推奨)
3.タンクを持ち上げている間に前に通す
4.タンクを戻す

という方法だ。
尚フレームの中は空洞となっているのでかなり線が通しづらい。

これについては過去にデータセンター式ケーブル通し術を使って通し方のコツを説明している記載が別記事にあるので気になる人は見てみてください。

▲この記事ですね

グリップの取り外しと装着

次にハンドルの付け替えだ。

右側はスイッチケースの裏にプラスネジが2つあるのでそれを外せば上面が下の写真のようにはずれる。

▲次にバーエンドを取る。
スロットルが外せる算段がついたらワイヤーとそれを止めているタイコを外していこう。

タイコは絶対にハンドル側だけでは取れない。
キャブレーター側のタイコ(上の写真の下側)のナットを緩めるとワイヤーがキャブレーターのワイヤーガイドから外れるのでそのままタイコを外そう。
そうすればハンドル側も緩んで外せるようになる。

▲取り外したスロットルとグリップヒーター。径も形状も全く一緒。

▲左ハンドルはグリップエンドを取ってグリップボンドを引きはがしながら引き抜くだけ。

・・・なのだが

右のバーエンドにも言えることだが、これにはネジロック材が使われていて、非常に硬くなっているので注意が必要だ。
SPADAのネジは当時ものだと30年前のネジなのでいとも簡単に舐めることになるぞ!(僕はは舐めました)

ちなみに舐めてしまった場合、NSRやCB1300と同様部材のため2020年現在もまだ手に入るパーツだったりする。

ウェイトハンドル(バーエンド):53104-KY6-010
スクリュー(プラスネジ):93700-06030-0G

硬いネジを取るときはガスバーナー等で2分程度加熱し、ゴムハンマーでたたくことでネジロック材を劣化させることができる。
今回はネジ自体が劣化していたため普通のプラスドライバーやラチェットでは歯が立たなかったので、エンジニアのネジバズーカを利用した。

その後、パーツクリーナーをグリップの間から吹き込んで回すとボンドもはがれ、グリップが引き抜けるはずだ。
舐めたネジとの戦いに1時間半も使ってしまった・・・

 ハンドル側接続

グリップを付け替え、ハンドルまで電装を通せたらハンドル側の結線を行う。

▲左ハンドル。結構付け根で結線することになるが、結線後は付属のチューブで隠す。
接続した後にハンドルをまげて外れることがないか確認しておこう。

接続は「同じ色同士で接続すればOK」だ。間違えることはないだろう。
この線はコントローラー向けの線となる。

▲こちらは右ハンドル側。
最終的にメーターの裏に結線された線は隠れる位置に行く。
なので右ハンドル接続→引っ張って左ハンドル側接続とした方がよいだろう。
全部色の同じ黒色だが最終的に↓の図の形になればOKだ。

ということで、グリップヒーター本体側の結線も完了。
最後はバッテリーとの接続をしていくぞ。

バッテリーとの接続

グリップヒーター自体にスイッチ&電圧低下を検知して自動停止するための機構、そしてヒューズが付いているため実のところバッテリーに直接接続してもさほど問題は無いのだが悪戯やふとした表紙の起動とそこから成る事故が嫌なのでリレーを咬ませました。

過去にUSB電源と電圧系をバッテリーから直接引くためにリレーを用意しているのだけど、今回ここに追加したら電圧系とUSBソケットが電圧不足のような動きを示した。

上の記事の図に追記。
最初は上のような配線にしようとしたのだが、どうやらリレー君から伸ばしたY字分岐のライン(黄色)がUSBソケットとグリップヒーターを同時に扱えないらしい。
太い線も持ってないし、しゃーない新しく専用でラインを増やすか!(ガバ

というわけで、こんな配線に。
エーモンのコンパクトリレーなるアイテムを使いバッテリーボックスの中にもう一つリレー経由の線を増やしました。
こっちは完全にグリップヒーター専用。

完成

USBや電圧系はテールライトのヒューズからリレーの判定用電源に、今回はウィンカーのヒューズを判定用電源にした。
なんか間違えてウィンカーのヒューズが飛ぶとグリップヒーター使えなくなるけど、まぁいいでしょ(適当

ということで完成!

スムーズにできれば3hくらいでできたのだろうけど、色々試行錯誤した結果丸2日もかかってしまいました。

試しに使ってみた

搭載が終わったころには夕方、今から寒い山なんて・・・
いや、東京都内にはラフに「寒さ」をベンチマークできる有能スポットが存在する・・・!
それが、東京ゲートブリッジ!

走行エリアが高く、風が吹き付け海に近いと3拍子「寒さ」の要素が揃ったエリアで都心からもアクセスしやすい。
さらに寒くなってもすぐ帰れて一般道、という最高のベンチマークエリアだ。

ということで一路ゲートブリッジへ。
帰りに飯田橋のつけ麺でも食べて帰ろう。

▲つけ麺食べに行くと言ったら彼女が釣れた。
免許取ってから1年たったので最近はタンデムもし始めたぞ。

尚、カメラを持っていって無いので写真も動画も無い模様。
換装した感想(激ウマギャグ)ですが、噂通り暖かい。

やはり、操作系に直結する手を寒さから保護できるというのは安全にも直結するなといった印象だ。
「なければ無いで気合や工夫で耐えられたかもしれない、けど一度これを体感すると”無しには戻れない”」というのが正直な印象だった。

操作感に関しては、VT250SPADAについてはもとからついているグリップ径や長さと変更が無いためほとんど変化なし。
唯々「グリップがあったかくなる」という付加効果だけ頂戴できた感じだ。
ただ初期装備グリップよりも少し面が固く滑りやすい(実際は滑らないけど)印象を覚える。
しいて言えばKOMINEの滑り止めがちがちグローブだと全く気にならないが、手の平が完全に布でできた革グローブなどを使ってる人は少し摩擦力が気になるかもしれない。

概ね、全体的に付けた印象は「最高」ですね。
これで冬場も道が凍結さえしなければどこにでも行けそうだ。
バイクシーズンは夏ではない、冬なのだ!

ということで・・・

今までさんざんやってきたSPADA近代化回収もいよいよこれをもって最終回な気がする。
2020年11月の現段階でSPADAに搭載されている装備は以下の通り

・ETC
USBソケット&電圧系
ドライブレコーダー
トップケース&ワンオフキャリア
・グリップヒーター

これ以上目指すとそれこそ、液晶メータとかキーロックとかにかかわってきてSPADA本来の良さ()みたいのが失われかねないので見た目なるべく純正で近代化回収というのはここら辺が限界かなと。
1つ言えるのは1年乗って、ここまでツアラーにするなら最初からゼルビスとかでよかったんじゃないかということですかね。

ただ、SPADA超お気に入りなんですよね。よくわからないけど周りの人からも「szkが乗ってそうなバイク」といわれるし。

さて、このSPADAで今後はどこに行くやら・・・


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