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バイク関係整備&カスタム関係

VT250スパーダ カムチェーンテンショナー交換&バルブクリアランス調整

こんにちは、szkです。

去年位からスパーダ君のタペット音が気になっていた。
タペット音とはなんんぞや、という質問についてはググってもらったほうが良いとしつつ、ざっくり言うとエンジンの中のパーツの隙間が間隔が広がったり狭まったりするため発生する音のことだ。

これを調整することを一般的にバルブクリアランス調整、またはタペット調整と言ったりする。
実は前々、具体的には1年半ほど前からこのタペット音が気になっていたのだが、エンジンを開けるという行為がどうしても面倒で放置していた。

先日朝里氏の東北Vツインシリーズ東北ずん子とVTR250レストアシリーズを見て勇気が出てきたので、これを機に冬の整備としてやってみようと思うぞ。


▲イラストがエッチだったりアレがアレで例のアレだけど、この動画非常に面白いのでおすすめ。
最初ミスって書いてた東北VツインシリーズではレストアしたVTRが活躍するのでおすすめだゾ☆

パーツ関係

さて、通常タペット交換のみであればパーツは不要・・・なのだけど今回は合わせてカムチェーンテンショナーの交換も行っていきたい。
実はこのパーツ、スパーダ、もといVTシリーズの心臓ともいえるMC08エンジンの唯一の弱点ともいわれたパーツだったりする。
基本的に頑丈、よく回る、高出力と3拍子揃った最強と名高いMC08エンジンの系譜だが、故障する際はこのカムチェーンテンショナーをきっかけに壊れるパターンがあるそうなのだ。

一応ゆるふわ解説しておくとこのパーツ、カムチェーンと呼ばれるエンジン内の動力を伝えるチェーンの張りを保つパーツで、結構重要部品。
タペット音かと思いきや実はそうではなく、カムチェーンの張りが弱まり音が鳴っているパターンがあるらしい。
正直今回怪しいのはこっちだ。購入時に走行距離1万㎞、ここが交換済みということは考えづらい。
つまり25年一度も空けられていない&無交換部位である可能性が高い。

そして、これを交換すればMC08エンジンは20万キロメートルはしるそう。
なお交換推奨は無いが、ネットの知見ではだいたい5万~10万kmでの交換のパターンが多い。

今回スパーダ君はまだ3万㎞台ではあるものの、パーツが無くなる前、このタイミングで交換しておきたいところさんだな。

作業開始

ということでやっていく。

この作業で面倒なのは タンクをはずさないと作業ができないことと、クーラントを抜かないといけないことだ
後ろバンクはタンク下部に設置されているためタンクの取り外しは必須となる。
まぁ、いちいちキャブレータを取らなくていいだけ温情といったところか。

MC20はタンクを外すときにホースを抜くのが面倒くさい。
適当な厚手の板を挟んで持ち上げて、手を突っ込みいい感じに抜く という方法しかないのがつらいところさんだな。

次はクーラントだ。
どうしてエンジンの上部を開けるのにクーラント?と思われるかもしれないが、SPADAのエンジンのトップケース前バンクは完全にラジエーターと干渉してしまっている。
これを避けるためにはラジエーターの取り外しが必要になる。
過去のネット個人ブログでは」ずらすだけでもOK」とあったが、正直取り外したほうが5000倍作業が楽だと感じた。
なのでまずはクーラントを抜こう。

さらにリザーブタンクにも残っているのでこれは注射器かなんかで吸い出すことで抜くことができる。

そして、本来は不要なのだけど今回はエンジンオイルも抜いていく。
後でエンジンオイルフィルターとクラッチの交換を行うからな。

ここまでで慣れている人なら1時間かからないのだろうけど、szkは1時間30分かかりました。
ラジエーターの外し方がいまいちわからずに苦戦してしまったな。

カムチェーンテンショナー交換

では早速クランクケースを開けていく。
ちなみに写真は後ろバックだが、この写真からさらにプラグケーブルが生えてるあたりにあるセルスターターリレーの固定具も外しておく必要があるぞ。

開けるとこんな感じ。「まぁまぁ中身はきれいだろうな」と思っていたので、おおむね思った通りのきれいさだった。
カムチェーンテンショナー以外の交換は不要そうだな。

最初にガイドをはずして

カムシャフトを止めている抑えの部品を外す。

あっ・・・

szk、渾身のネジ落とし。
エンジン内部にボルトを落としてしまった。
写真のこの2つのネジはほかのネジより圧倒的に短いから気をつけろよ! (1敗

ネット記事では「この時点でゲームオーバー」と記載があるが、正直そんなに慌てる必要は無い。
ネジは磁石でくっつくタイプのものなので、下の写真のようにピックアップツールで引っ張り出せばOKだ。

まぁ、今回初めて買ったけど、これ

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さて、これでカムシャフトが外れるのだが・・・

まずこの段階で写真かなんかを取っておくことをおすすめする。
とくに横からの写真だ。

このアングルからの写真を忘れずにとっておこう。
サービスマニュアルが無い場合は特にだ。
SMがある人は、マニュアル通りに取り付ければいいのだけど、後述の通り結構苦労したので最初の状態は残しておこう。

さて、ここまで外してようやくカムチェーンテンショナーの取り外しに移ることができる。
ボルトが全部外れていれば簡単に引き抜くことができるはずだ。*多分勝手にずれてくる。

カムチェーンテンショナーは2つのパーツが合体して形作られている。
この2つのパーツでカムチェーンを挟み込んでチェーンを張るのだ。
そのため、パーツの完全な脱着はエンジン上部で行うことになる。

特に「βピンを外して留め具を外す」という手順。
これはβピンが非常に小さく吹っ飛びやすい。
中に落とすとこれも色々と面倒なので最新の注意を払って行おう。
このβピン、いろいろ外して最後の最後に出てくる強敵感があるな、チャンピオンロードのミツル君か?

そして、チェーンも下に落とさないように気を付けよう。
上に引き上げるだけならボルト同様簡単だが、ネジと違ってクランクシャフトからチェーンが外れてしまった場合はそれこそ面倒なことになる。

んでんでんで、こちらが取り外したカムチェーンテンショナー。
左が取りはずしたもの、右が新品だ。

見た感じは特に変わりがないが、バネ部分は相応に古くなっており、スペーサーは結構擦れているように見えた。
次は10万㎞で交換だが、果たしてパーツ供給があるだろうか・・・
VTRのファイナルエディションが販売終了してかれこれ6年。そろそろパーツの供給は絶たれたとしてもおかしくない。


▲スペーサー側、右が古く左が新品。このくぼみは擦れてできたものなのかな。

前バンクも構造は同じなので同様に作業する。
パーツは前と後ろで一部形はそっくりだが別パーツがあるので混ざらないようにしたほうがよいだろう。

工具は後ろバンクの場合、Tレンチがあると作業がしやすいが、前側は長さ的に入らない。
ソケットのエクステンションバーがあると若干作業がしやすくなるのでおすすめだ。

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前後のカムチェーンテンショナーが交換完了したらクランクシャフトの取り付けだ。
サービスマニュアルを読むと「合わせマークはT2で行うこと」、といった記載が見受けられるが実はこれは誤り…というか記載が足りておらず、クランクシャフトの取り付けはT1でやればいい。
もっとシンプルに記載すると

・クランクシャフトの合わせマークをT1にする

・リアバンククランクシャフトを取り付ける。
このとき、ケガキ線をエンジン上部の面と水平にし、カムシャフトに書いてある識別マーク*EXFとIXFのマーク(を天に向けて取り付ける。

・リアのカムシャフトを固定する

・T1のまま、フロントのカムシャフトも同じくケガキ線を水平にし、識別マークを天に向けて取り付ける。
ただし、フロントのカムシャフトはこのままでは向きが悪く固定が行えない。
クランクシャフトを90度回すと固定可能な位置にくるので、この状態で取り付ける。
この時、クランクシャフトを早く回すとせっかく位置を合わせたカムシャフトが外れるので注意。

この手順で取り付ければ最終的にサービスマニュアルで言っていることと同じ状態になる。
どうやら固定がT1でできないために、「リアとフロントのカムシャフトがどっちも固定できる箇所」を案内すべく、T2で合わせて少し回せ的な記載になっているのだが、そもそも「少し回せ」の記載がなく、まるでT2の状態で取り付けるように聞こえる記載となってるため実に混乱する。
大事なのは「圧縮上視点のT1のときにフロントもリアも識別マークは上にくる」ということだ。

ちなみに、ネットの個人ブログで「間違ってつけてしまったパターン」も見たのだけど、どうやら速攻エンストするだけでどうにかなるらしい。
壊れないのかよ!

尚、組付けたら一度クランクシャフトを直接回してちゃんと回るか確認しよう。
これでやり直しのリスクは相当回避できるはずだ。

バルブクリアランス調整

取り付けが完了したら次はバルブクリアランス調整だ。
バルブクリアランス調整は基本的にサービスマニュアル通りにやればよいのだけど、クランクシャフトの合わせが数ミリずれただけで、そもそものバルブの位置が変わってくるのでかなりシビア。
ネットでこの作業を「初心者向け」とか言ってるタイプのバイク乗りは一体何者なんだ・・・

とりあえずやり方は

・クランクシャフトの合わせをT1にそろえる(具体的に言うと圧縮上死点)
・バルブクリアランスを測定する
・規定値内でなければ、これが合うように調整する
・再度バルブクリアランスを測定し、規定値内であれば可とする。

なおバルブはMC20の場合、後ろのバンクで吸気と排気合わせて4つ。
前のバンクで4つなので合計8か所の調整が必要になる。なかなか骨の折れる作業だった。

ちなみに、サービスマニュアルでは測定を行うための専用工具が必要と胸があるが、8㎜の眼鏡レンチと短めのマイナスドライバがあれば代用は全然可能だった。
専用工具があれば制度があがるのだろうか?

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ということで、規定値である0.15~0.19の間。0.17になるように狙い調整。
最後までしっくりこなかったが、とりあえず調整が終わった。
全然わからないっピ。

戻し

で、最後はトップを戻すだけだけど、ここでネジを1本ねじ切るとかいうガバムーヴを発動。
泣く泣くカムシャフトホルダーの交換がタスクとして残るのであった。

んでもって、別記事に記載する予定のクラッチ交換も併せて行い、いざ始動!

 

どうして・・・?

おそらくラジエータをずらした際にウォーターポンプを外したため、限界に来ていたOリングの固着が解除されたことで漏れが発生したのだろう。
Oリングを変えればどうにかなるか・・・?

ということで後日、Oリングを交換。無事にクーラント漏れが解消した。

いざ鎌倉

ということで、では早速始動してみよう。

(音は↑の動画を参照してね)

・・・?

・・・・・?

???????

よくわからないっピ

「音が変わった」というのはわかるのだけど、いかんせん「正解」の音を知らないのでこれが正なのか全然わからん。
そして、スマホで録音した音はリアル音と全然違っており、スマホで録音した音だけ聞くとなんなら整備したあとのほうが悪化している気さえする

まぁ、リアル音聞いた感じタペット音と呼ばれるカチカチ音は消えてるし、ままええやろ。

とりあえず2㎞程度ではあるが、会社の休憩時間を利用して乗ってみよう。

試乗した感想

おぉ・・・!?

乗ると全然フィーリングが違う。
「別のバイクだ!」とは決して言わないが、今まで乗っていたスパーダとは明らかに違いを感じる。
人間で言うと「今までの状態はずっと風邪だった」みたいな感じ。
デバフを受けて制限を受けていた気がしたが、今は快調というか「お前こんな仕事できたんか」みたいなそんな感じだ。

具体的にはスロットルをひねった時のカムギアの音が音が少し固い感じに、排気音自体は若干曇った感じに。
この音はHONDA公式がアップロードしているHONDA CollectionHallのエンジン音のそれに近く、正解をなんとなく引き当てた感がある。

クラッチについてはエンジン側でのクラッチ調整が必要な程度にはクラッチがすり減っていたため、もう少し効果があるかな?と思ったが思ってたよりは変化が少なかった。
DJEBELのときは1足の走り出しが「これが新車か」と思えるレベルだったのだけど、これは汽筒数ないしは下のトルクの差なのだろうか。
まだ高速道路は走っていないので、これに乗った際の違いが楽しみだな。
特に6足はクラッチが滑っていると関るシチュエーションがあったため効果があるとうれしいところだ。
後日クラッチワイヤーの調整したらよくなりました。

兎にも角にも総合的には「新車になったな」感は割とあり、やってよかったと思える整備だった。
あとはこれでちゃんと長距離走ってくれることだな。

とりあえずは液体類の漏れもなかったので次の休みには載って外に出たいところさんだ。

は???(マジギレ