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ジェベル200君対厳冬期ツーラリーカスタム編~タイヤ選定&フロント交換とビードストッパー搭載~

今日はフロントタイヤをつけていくぞ。

現在のジェベルのタイヤ装着状況だが、前がブリジストンのTW19後ろが同じくTW18だ。

今回北海道に赴くに伴い、雪道でのタイヤ特性についてもすこし話しておきたい。

そもそも冬用タイヤって・・・

よく聞くタイヤの種類として「スタッドレスタイヤ」というものがある。
4輪では基本これが降雪地向けのタイヤになるだろう。

このスタッドレスタイヤだが、そもそも「スタッドレス」って何?という話だが、これはスタッド=鋲(びょう)がないタイヤ、でスタッドレスとなる。

じゃぁ、この「スタッド」ってなんなんだ?という話だが、これはいわゆる「スパイクピン」のことになる。
歴史的経緯だが、元々1980年代まで冬タイヤというのはスパイクタイヤであった。
しかし、このスパイクタイヤ。ピンに使われている金属はタングステン。
つまりアスファルトより固く、舗装路を走るとアスファルトを削ってしまう。
このアスファルトを削ったときに出る粉塵が健康被害につながったり、そもそも道路を傷つけてしまうことで保線費用が怒りでマッハになるといったことで1990年にスパイクピンに関する法律が制定。利用不可による需要低下により、その後メーカーによる製造と販売自主的な中止へとつながった。

この流れにより各メーカーは鋲のいらないタイヤの開発を余儀なくされ、今のスタッドレスタイヤにつながったというわけだ。

ちなみにこのスタッドレスタイヤだが、簡単に言うと「寒くても硬化しないゴム」に「雪に対して特化したドレッドパターンを持った」タイヤだ。
ゴムというのは総じて温度の低下によって硬化するものだが、特殊な配合によって硬化しにくかったりするらしい。すごいね。

また、ドレッド(タイヤの模様みたいなの)パターンも雪及び氷結路に対して強くとれる形になっている。
ドレッドを組むと、そこが隙間になるが、雪道ではその隙間に雪が入り込む。
この雪が車重で踏み固まると柱上になるが、これをひっかかりとして、タイヤを回すと雪の柱を蹴る形で前に進むことができる。この仕組みの中で柱を蹴りだす際に生まれる抵抗力を「雪柱せん断力」と呼ぶのだけど・・・
まぁ、つまるところこの雪柱せん断力を持って制動力とできるわけだ。(脳死
ちなみに雪のないアイスバーンでは温度低下による氷へのゴムの張り付き性能を以てしてグリップする形だ。
尚、このあたりの説明はJAFのページが分かりやすい。

とまぁ、スタッドレスタイヤは雪がうっすら積もったアイスバーンや圧雪路でその性能を最大に発揮できるというわけだ。アイスバーンでも機能はするが、場合によってはチェーンをまく必要があるのは、そういうことだな。

・・・とスタッドレスタイヤの説明が長くなったが、それでは2輪車でスタッドレスタイヤがあるのか、というと答えはYes。
バイク用スノータイヤという名前でスタッドレスが販売されている。
しかし、バイクの場合はタイヤの面積が少なく、面によるアイスバーン下の恩恵が受けづらい。
よってスタッドレスは雪面向けで、その排気量も125㏄クラスがほとんどだ。

では、バイクではどのように雪面を走るのか・・・
そう、スパイクタイヤである。

スパイクタイヤのアレコレ

さて、スパイクタイヤについては先ほど少し上でも記載した通り。
このいきさつを見ると「スパイクタイヤって禁止されてるんじゃないの?」と思われるかもしれないが、実は利用は禁止されていない

さらにいうと、厳密には販売と製造も禁止はされていなかったいする。

そもそもスパイクピンにまつわる記載は道交法には無い。
では、どこに記載があるかというと、「スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律」と「スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律施行令」に記載がある。
尚、これらの法律の管轄は国交省ではなく環境省だ。
これらの法律の主体は主に「スパイクタイヤ使うと道路の損傷やばいから、道路の保護を本質としてそれを阻害するスパイクタイヤは使わないようにしよう!」というものである。
ここだけ読むと全面的に禁止に見えるが、実はそうではない。

この辺はさすが日本の法律といったところだが、完全に禁止すると困る人が出てしまうことから、これらの例外をきっちりと取り決めている。
例えば、消防や緊急用の車両は例外となるし、トンネル内の道路や橋の下の道路といった完全にアイスバーンになってしまう場所では(主に緊急対応や救助を想定して)そもそもの利用が許可されている。

さらにもう一つ、この法律のスパイクタイヤの使用禁止の制限は「指定地域」によって定められている。
粉塵の発生を防止するために”特に対応が必要となる地域を指定地域とする”といった書き方だ。
尚、この指定地域は都道府県知事によって指定され、各市町村の意見を聞かなければならない。

んで、指定地域だが、現状では北海道をはじめとし、東北地方や北陸地方の一部の自治体が含まれている。
ここだけ聞くと「えっ、降雪地帯はスパイクピン禁止なの?」と思われそうだが、実はそうではない。
別途各地域の条例によって「使用可能期間」が定められているパターンがほとんどだ。
例えば北海道ではこの北海道スパイクタイヤ対策条例によって機関が定められている。
北海道においてはおおよそ11月中旬から3月ないしは4月中旬までがスパイクピンを利用してもよい期間となるわけだ。

法律の禁止部分を条例によって打ち消す形だな。
この仕組みは除雪したら舗装路が出てしまったり、そもそも局所的に雪が降らない、積もらないような場所を走った瞬間に違反とならないための処置のようだ。よくできてるな。

ここまで読んで勘の良い人なら思うだろう。
「あれ?指定地域以外は?」・・・と。

関東はじめ、ほとんどの地域は指定地域に入っていない。
この指定地域外においてはスパイクピンの利用は禁止されていないので、実はスパイクピンを履いて走行してもこれだけでは違反にならない

まぁ、「雪降らない地域でスパイクピン履く輩はおらんやろ」ということだろう。

ただ、先のスパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律の中には「国民の責務」として「スパイクタイヤによる粉塵発生をさせないように努める」という内容がある。これは指定地域関係ない文言だ。
明確な禁止ではないものの、北海道に行くまでの道でスパイクタイヤを履くのはやめたほうがよいというのは事実だろう。

ちなみに補足として「125㏄以下はセーフ」という部分だが、これは上述の法律において「自動車」の定義が道路運送車両法の第二条第二項に規定する「自動車」としているため。
道路運送車両法では「自動車」と「原動機付自転車」は別枠扱いなので、この法律の対象にならないといったロジックだろう。

ベースタイヤを決めよう(提案

ここまで死ぬほど長くなったが、そろそろベースタイヤを決めておこう。

まず250㏄クラスのタイヤでスタッドレスタイヤは無いといっても過言ではない。
そもそもバイクではスタッドレスの恩恵が受けづらいからな。

一方でバイクにはオフロード向けのブロックタイヤが存在する。
ブロックタイヤは言い換えればドレッドが滅茶苦茶深いタイヤとも言い換えられる。
このブロックが厚いタイヤであれば十分な雪柱せん断力が得られるはずだ。

そして、基本に忠実になれば「細いタイヤほどパウダースノーに強く」(前から受ける抵抗が少なくなり切込み安い)、「幅が広いタイヤほどアイスバーンに強い」(面で受ける面性が強くなる)はずだ。

これらにコンパウンドの柔らかさ等などを考えて考慮した結果選ばれたのは・・・

このタイヤは公道走行可能なチート林道タイヤとも呼ばれるタイヤだ。
幅の広い面で受けるタイプのタイヤで柔らかさもばっちり。
アイスバーンでもこの性能は織り込み済みとのことで実績も多い。

ほな、szk前後TR-011履くから・・・

がーんだな、出鼻をくじかれた。

せっかくだし、履いてみたかったのだが、まぁしかたない。
タイヤは前後合わせたい派なので、別のプランを考えよう。

色々見た結果、ジェベル200で年越し宗谷岬を踏破している人を発見。
その方が履いているタイヤを確認したらドレッドも結構かっこいい。
幅もそこそこでいい感じのタイヤだ、それが・・・これだ

ピレリといえばF1でも採用されるスーパーカー御用達のタイヤメーカー・・・!
ドレッドパターンもかっこいいし、ピンも打ちやすそうで申し分ない。

よし、今回はMT21で・・・

えぇ・・・

どっちも年またぐのか・・・
さらに調べてみたが、あとは公道不可のよくわからない謎メーカーなどが候補に挙がるばかり。
うーん、前後別々は気に入らないが、今回は「フロントTR-011」「リアピレリMT21」の組み合わせで行ってみよう

交換するぞ

というわけで本日フロントタイヤが届いたので交換していこう。

今はいているTW19と比べるとだいぶ幅が広いように見えるな。

試しにピンも打ってみる。今回はねじこみタイプのJX300とJX120を使っていくぞ。
国内では「ベストグリップ」という名前で展開している製品の平行輸入版だな。

入った。電動ドリルだけでセットが可能だ。

突き出し量は大体3㎜程度だ。
推奨が3~4mmだからちょうどよい感じだな。

さっそく交換していこう。
フロントシャフトを緩めてピットイン。前を持ち上げて

タイヤをはずしてチューブを抜く。
チューブは空気を抜いておくと抜きやすい。

今回はビードストッパーも装着してみよう。
チューブタイヤは空気圧を極端に下げることができるのだが、通常チューブの冒頭を利用してタイヤをビードにはめているため空気圧を下げるとこれがずれやすくなる。
チューブがずれるとそこから断裂してパンクになりかねない。
こういった事象を防ぐために中にこのビードストッパーを入れてリムの内側から押し当てることでずれを防止できる。

ちなみにデフォルトでは穴があいてないので

ホイールに穴をあける。

5mmでは小さすぎる。7.8mmのビットの鉄鋼ドリルがあればこれが一番早そうだな。
自分は7.5㎜を買ってきてさらに削る感じにしたぞ。
ここが一番時間かかった。

タイヤを入れてチューブも空気を2割ほど入れて封入。

ビードストッパーが付いてるときは一度タイヤをはめた後、ビードストッパー部分だけ両側ビードを外し入れなおすとやりやすい。

今回は1発で入ったな!
てかほんとうにTR-011柔らかくてびっくりする。
ここまでグリップ感あると燃費が下がらないか心配になるな!

とりあえず走りに期待ということで本日はここまで!

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