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VJ

DJライブ配信の実装/手法/演習における動向と今後の課題についての考察

クラブは現地に寄り集まってのパーティが行えなくなったことにより、近日配信による表現の場の確立が求められ、実際にそれを行う動きを見せている。
1か月間のうちに

この記事は過去に記載した今日日のクラブカルチャーにおける音楽コンテンツの配信体系について整理してみるを2020年5月の状況を踏まえブラッシュアップ、今後の課題を追記したものとなります。

主催者による配信種別の大分とスタンスについて

DJソロでの配信

DJが個人的な活動として行う配信。
手元の身を映した映像が多く、時勢に限らずかねてより行う文化が存在した。

技術的な構成については「技術的な実装」にて記載する①の構成がほとんどで、一部ZoomやDiscordなどのビデオチャットツールで個人的なビデオチャット範疇で行うものが存在している。

収益スタンスについてはDonate(寄付)を受け付けるものも一部存在するが、趣味の範疇か文化の保護の側面が強い。
後述するパーティ主催での配信に臨むためのテスト配信も多く存在する。

パーティ主催での配信(リアルパーティの転換)

従来箱で開催していたパーティがオンライン上でパーティを主催する形態。
現在告知が行われているパーティはこの手法に切り替えつつある。

技術的な構成はパーティのITリテラシーによって様々だが「技術的な実装」にて記載する②の構成が多く、③が稀に存在する。

収益スタンスについては個人のDJ配信と同様であるものの、グッツの販売によって別途収益の確保ルートを用意しているものもある。
これは従来リアルで開催していた時と構造上の変化はないが、インターネット上で観察(客のアクセスが良い)が行いやすくなったことによりパーティ毎のスタンス格差がより鮮明になっている印象を受ける

組織主催での配信

パーティのオーガナイザーではなく、クラブカルチャーに精通、或いはその近辺の界隈組織によるパーティ。
組織的に行われ規模が大きい。
1パーティ内に複数の中規模イベントやその代表が参加するケースもある。

技術的な構成はほとんどが「技術的な実装」にて記載する②であり、場合によっては冗長化されている。

収益スタンスについては組織という特性上、収益確保のスタンスが先に来る。
Donate及びグッツ販売の規模が大きく、また導線確保が行われる。

技術的な実装

技術的な実装形態としては主に以下に分けられる。

尚この話の技術的な視点による詳細は以下の記事を参照ください。

単一のパフォーマーによる兼任配信(DJソロ配信)

パフォーマンスを行うDJが直接配信を行う方式。
DJ用のPCと配信用のPCを分けてNDI及びキャプチャボードなどを使って連携する可能性はある。

 

複数人のパフォーマーによるバトン形式配信

複数のパフォーマーが時間帯によってライブストリームURLを共有して接続する方式。
簡易に複数人での配信が行える代わりに配信が途中で一時的に切断される。

複数人のパフォーマーと配信集約によるリレー形式配信(配信中継サーバ形式)

最終的な出力を行う配信PCを1台用意し、別途ストリーミングサーバ(中継サーバ)を立てて配信PC側で切り替える方式。
後世については各配信担当者による。

詳しい実装方法については以下の記事を参照ください。

演出面についての考察

演出については各所により様々な演出が行われている。
また、この演出は後述するコミュニケーション手法に関与する部分が多く存在する。

操作画面の送出

DJ配信中のPC画面をメインで送出する。
カメラが不要でセットアップしやすい。また次にかける曲が事前にわかるなどリアルイベントには無い要素が楽しめる。
ただ、DJ本来の「展開の楽しみ」とは乖離があり、配信の主旨をしっかり伝えることが必要。

手元の撮影

ミキサー及びDJの操作系統の撮影を行う配信。
必要なものがWebカメラやivcamのみで簡易に行えるものの、演出としては平たんになりがちであり、ターゲットを明確としない場合は演出に効果を発揮できない場合がある。
DJレクチャー配信でないかつ、演出として強化を行いたい場合(大衆的に観客を収集したい場合)は別途、演出を考察する必要がある。

派生:手元の撮影+マッピング

配信を主としたときに可能になる表現方法の一つ。
手元の映像に対してデジタルでの映像合成を行い演出する。
MRの発想に近い手法であり、後述するVJによる実写コラボレーションと比較して個人環境でも物理的な障壁が少なく実施しやすい
後述の「派生:VJによる実写コラボレーション」をリスペクトして実施するDJが出現しつつある。

 

DJの撮影

DJを正面から撮影する方式。アングルとしてはフロアの前線に立つ印象を与えることができる。
クラブカルチャーに無知な観客に対してはDJに対してアイドル的な印象を与えることができると期待できる。
また、カメラ入力を多数にすることでTV的な映像作りができ、観客に与えるパーティ規模感の拡大に貢献ができると考えられる。

派生:VJによる実写コラボレーション

リアルに観客がいないことを逆手にとらえた演出。
今日の配信におけるVJ表現として注目された演出方法。

VJ映像の送出

VJ映像を配信に乗せる、あるいは重ねるなどして送出する。
多く用いられる手法であるものの、ビデオキネマの使用権からすると権利云々がうんぬんかんぬん(これ以上いけない)なので、実施する場合は今一度状況を確認したうえで行いたい。

コミュニケーションツールの送出

VRChatやチャットツールを画面に送出する。
コミュニケーションを主目的とするならば配信画面からコミュニケーションツールへの導線を用意する必要がある。

※本来はVRizeの配信でVRC会場を移す配信があったはずなのですが、タイムマシンが見つけられなかったのでイメージ映像として観客目線のツイートを紹介させていただきました。

今日の配信イベントにおける今後の課題と展望への問題提起

ここからが本題です。

収益化に対するスタンスと手法

今日日のDJ配信カルチャーの流行発端の一因として、箱が使用できないという点が存在する。
この状況は従来の実際に会場に集い開催されるイベント(以下リアルイベントと記載)が行えなくなったことによる状況であり、この問題はさらに以下の2つの問題を発生させている。
一つは本来の金銭の流通だった箱に対する使用料金、イベントにおけるエントランス料金が受領できない問題。(金銭の課題)
二つは音楽文化の発信を行うDJという行為そのものの文化発信がリアルイベントで行えないという問題(文化維持の課題)である。

前者(金銭の課題)は箱のオーナーやイベント企画会社、DJを本業とするプロのアーティストなどの大きな課題であり、後者は先に記載した対象者に加えDJを副業或いは趣味で実践するアマチュアのアーティストや趣味でイベントを開催するアマチュアオーガナイザーの課題となる。
但し、リアルイベントにおいて利益ゼロ(ファン活動であること)を目的としてイベントを行ってきたアマチュアオーガナイザーにおいては、配信においてイベントを打つことで赤字になることは避けたい事実であり配信においても収益ゼロを目指すという点においては金銭の課題を半身保持しているのが現状である。

これらは、リアルイベントにおいても同様の課題は存在するものであったが、配信型イベントにおいては「誰でも」「どこからでも」入場がしやすいという性質上浮き彫りになりやすくまた、楽曲使用の権利の問題を含めて議題に上がりやすい。
但しこの問題は先に記述した通りリアルタイムイベントにおいても本質は同様であり、ユーザー側で状況の理解と協力が必要な状況であると考えられる。

以下では仮に、現在のコロナウィルスによる生活習慣が長期的に継続する場合を加味した今後の課題を考察する。

金銭面の今後課題について

金銭面については従来のチケット制を導入できないものがほとんどである。
これはDJの文化と今日のインターネット配信における楽曲権利の相性が非常に悪く、特に先に記載した通り大衆の目に留まりやすいインターネット配信においては業界を巻き込んだ規制になりかねない。

このことから、イベントそのものに対する課金を行うのではなく別途収益を得る仕組みを構築することが課題となる。
また、小規模~個人的な範疇でただ収益を得るのであれば、各補償や働き手の募集などは存在するためそちらを利用したほうが良いのは言うまでもない。

グッツ/データの販売

楽曲制作ができるDJや映像を作成できるVJにおいては楽曲データや映像素材の売買によって特定の収益が得られる可能性がある。
また、イベントにおいては過去に作成したイベントグッツのインターネット販売等で金銭を得られる可能性がある。
但し、業界全体の規模と需要からするとこれらの方法はメインの対策とするには厳しく、またそれぞれブランディングや販促といった活動のコストがかかりやすい。

講義の配信

配信を行う際に手元やPC映像を映せる環境があるアーティストであれば大衆に向けた講義配信を行うことができる。
また、配信をタイムシフトとして残す/編集などを行うことで以後の活動のポートフォリオとしても利用がしやすい。
※直近の資金が必要な場合は収益化が済んでいる必要があるためハードルは高い

先行オファー

アーティストは状況が解消した後のオファー権の先売りを割安で行うことで直近の資金を調達することができる可能性がある。
また、自身のパフォーマンスをパッケージ化できるアーティストについてはクラウドファンディング等のシステムを利用することも可能である。
但し、基本的には「前借」と同意の手法であるため長期的な観点とすると後の収益が減少する可能性がある。

クラウドファンディング

箱や組織においては、一定数のフォロワー(支持者)がいれば短期的にクラウドファンディングを用いて資金調達が可能となる。
但し、箱のような過去に文化保持の一端を担うなど相応の理由が無い限りはこの手法での効果は得られづらく、組織が行うものがメインであるといえる。

イベントオーガナイザーの課題について

イベントオーガナイザーは自身のイベントに集客を目的とする場合、飽和するイベントの中で、リアルタイムとは異なった差別化及びアプローチを行う必要がある。
特に配信プラットフォームにおいては、画面上の構成以外の差別がしづらい。
尚、リアルイベントですでにコミュニティを形成できている組織、イベントに関してはその規模を超過しない範囲でチャットによるコミュニケーションが行える可能性がある。
そうでないイベント(新規イベント等)や、もともとリアルイベントならではの差別点を用意していたイベントが配信上の差別を行うためには、ラジオフォーマットやDJ講義といった配信企画そのものの趣旨を変化せたり、別途コミュニケーションツールを用意するなどでユーザー体感を変化させるといった工夫が必要になる。

余談:視聴者PVとアクティブユーザーの割合について

イベントを視聴するユーザーに対してタクマイル氏がTwitterにてアンケートを行っていたので紹介。(総数153票)

DJ配信を視聴するユーザーは半数がコメントを行わない非アクティブなユーザーであり、コメントを行うユーザーは一部と考えられる。
イベント主催側とユーザーサイドで意識に乖離が発生する場合もあるため、配信イベントを行う際は一つの指標としておくと良いかもしれない。

まとめ

ということで、現在のDJ配信イベントのトレンドと今後の課題になりうる状況について記載しました。
この状況がどこまで続くか不明ですが、長期化すればするほどこれらの課題は表面化してくるかと思います。

趣味でやっている人も、課題を持っている人がいることを意識してイベント構築すると違った表現が行えるヒントとなるかもしれません。


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